ここ数年、建築業界のトレンドとして、挙がっている「木質化」という単語は、ご存じでしょうか。簡単に言えば、「今まで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建てていたものを木造で検討を行うことや、壁・床・天井などの内装や外壁に木材を積極的に活用していこう」というものです。そこで、「木質化を行うメリットはどこにあるのか」や「最近の建築基準法施行令改正のポイント」などを弊社が設計した事例を紹介しながら、ご説明させていただきます。
【木質化を行うメリットとは】
林野庁によると、内装を木質化することで、人間にとって、様々な良い効果があると提唱されています。抜粋するだけでも下記のようなものがあります。
(1)心理面の効果:リラックス効果や心地よさ・落ち着き感を高める効果
(2)身体面の効果:疲労感を緩和する効果
(3)学習・生育面 の効果: 子供の集中を助ける効果
これらは、その建物を利用する方が直接感じやすいため、「この建物の落ち着きのある雰囲気がいいな」などのプラスな評価をいただけることが多くなる場合があります。 では、弊社が設計した建物を参考に、木質化することで空間がどのようになるのかを紹介していきます。
【事例紹介】
1.落ち着きがあるエントランス空間を演出(西予市消防本部署)

左側の写真は、愛媛県西予市にある西予市消防本部署様のエントランスホールの写真です。訪れた方々に落ち着いた空間という良いイメージを持っていただくとともに、県産材を利用することで、地域の林業にも貢献できるようにしました。
2.職員の方が休憩しやすい空間の創出(株式会社マルミ)

左側の写真は、愛媛県八幡浜市に本社を置かれている株式会社マルミ様の事務所棟のリラックスルームの写真です。ミカン栽培をしている山側に配置しつつ、床や家具に木材を利用することで、温かみのある空間にし、仕事での疲労感を緩和できるようにしました。
3.子供の健やかな成長を促す空間(認定こども園北梅本幼稚園)

左側の写真は、愛媛県松山市にある認定こども園北梅本幼稚園の遊戯室です。床材は、木材を使用しつつ、腰壁には、桧羽目板を使用することで、子供たちの活動に対する集中力を向上させるとともに、笑顔で、のびのびと生活していくことができるようにしています。
今回は、3件の事例を紹介いたしましたが、そこで利用する人々が、快適に過ごせるように考えた際に、温かみのある空間にしつつ、木材が持つ材料としての強みを存分に発揮させることを考慮しています。
【建築基準法施行令の改正ポイントとは?】
先ほどまでは、事例を紹介しながら、木材を利用することでどのような空間になるのかについて説明いたしました。実は、昨年の11月から建築基準法施行令が改正されて、より木材の使用が、行うことができるように、整備されましたので、ご紹介いたします。
木材利用促進に関わる内容は、下記のとおりです。
(1)防火区画等に係る室内の内装制限の見直し
建築物の防火区画等について、現状、室内の内装仕上げ及び下地を不燃材料又は準不燃材料で造ることを求めていますが、今後は、これに準ずる措置が講じられたものについても認めることとします。
(2)防煙壁として扱うことのできる対象の拡大
防煙壁として扱うことができる構造として、準耐火構造を追加するとともに、天井面から50cm以上下方に突出した梁を防煙壁として扱うことが可能であることを明確化します。
(3)自然排煙口に係る建築材料規制の緩和
排煙設備の排煙口のうち、排煙機を設けない自然排煙口については不燃材料で造ることを要しないこととします。
これだけ見ても、良く分かりませんが、これらを要約すると、「告示で定める規定に基づいた設計を行えば、不燃材料でない木材を利用してもよい」という内容になっています。なので、条件次第では、店舗や事務所、福祉施設であったとしても木質天井や羽目板などの材で構成された自然豊かな空間ができるかもしれません。
もちろん、法的な縛りやコストパフォーマンスなどを検討していかなければなりません。しかし、意匠性と環境配慮を両立した設計が、今まで以上に可能になり、お施主様の意図した空間に、少しでも近づくことができます。
いかがでしたでしょうか。木材を内装に使用すると、利用者にも、従業員の方々にも良い影響が与えられると感じられたと思います。もし、建物の新築や、改修を検討されていて、木材を使ってみたいと思った方は、課題を一つ一つ解決していく自信がありますので、気軽にお声がけください。
林野庁: 建物の内装木質化のすすめ
https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/attach/pdf/wckyougikai-96.pdf
建築基準法施行令の改正内容について
https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_001079.html
◎建設場所、建物の内容や規模、グレード等設計条件によって変わりますので、ご計画がある場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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