お客様にとって建物を建てるということは、用途や規模の大小はあれ、たいへん重大なことでわからないことや不安なこともたくさんあると思います。また、建物も生き物で、建ててしまえば終わりではありません。完成すれば、以後何十年も生活したり、事業を行ったりするわけで、その間には建物の維持管理や修繕、改修といったことが必要になり、役目を終えれば解体して建て替えることもあるでしょう。
弊社は、こうしたお客様の立場に立ってよき相談相手、パートナーとして、建物のライフサイクルに対応したサービスに努めます。
建設の目的や事業の内容、描いておられるイメージやご予算、スケジュールなどアドバイスも交えながら、まずはお客様の思いをお聞きします。
計画地に関わる法的、物理的な調査を行います。土地には様々な法規制がかけられており、これらをクリアすることが必要です。また、土地の形状や高低差など計画の基となる調査を行います。
お客様のご要望と敷地条件を基に建物のイメージがつかめるよう基本プランを作成します。敷地配置計画、平面計画、完成イメージ等、複数パターンを提示し、お客様の意思決定を支援します。
基本設計から更に詳細な意匠、構造、設備の実施設計図の作成と構造計算を行います。打合せを繰り返しながら、詳細なデザインや材料、設備機器等を決定し、建設会社に発注できる図面と工事予算書を作成します。平行して関係官庁との必要な事前協議や申請を行い、設計完了後建築確認申請を行います。
建設会社への発注方式や業者選定についてのアドバイスを行います。現場説明や建設会社からの質疑応答、建設費見積書のチェック、工事契約書への監理者としての押印を行います。
発注者の立場から施工監理を行います。設計意図を施工者に伝達し、施工図のチェックや変更対応、材料や機器選定、予算査定等を行うとともに、定例会の実施、各種検査への立会など、技術、予算、工程の各方面にわたって品質管理を徹底します。
定期的な瑕疵検査や建物の経年調査、用途・規模によって特殊建築物定期報告、修繕や改修計画、増築、建て替えなど完成後もお客様のパートナーとなります。
耐震診断とは、旧来の建築基準法によって設計・施行された建物が、現在の新耐震設計法と同等以上の耐震安全性を有するかどうかを判断するための手法です。
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災においては、建築物に多数の被害が生じ、多くの貴重な人命が失われました。また、この時の死者の8割弱が、建築物の倒壊等による圧迫死や窒息死によるものでした。
これにより、地震に対する建築物の安全性の向上を図ることの重要性が、改めて強く認識されるようになったのです。
阪神・淡路大震災における建築物の被害状況を鑑みると、特に被害が顕著に見られたのは、1981年以前に建築された現行の耐震基準を満たさない建築物でした。その一方で、それ以後に建築された新しい建築物の被害程度は軽く、現行の耐震基準はおおむね妥当なものと考えられています。
診断実施時の調査計画、設計書の有無、診断レベルを現地で判断し、耐震診断に必要な経費を見積もります。
設計図書等により、履歴・外観・構造・規模等の調査を行います。構造図書が無い場合は、さらに柱・壁等の寸法の実測調査を行い、その調査結果に基づいて、必要な図面を復元。各指標値を算定し、耐震性能を評価します。
現地調査等により、履歴・外観・コンクリート強度・中性化試験・柱の帯筋間隔等の調査、鉄骨部分の部材断面・仕口及び継手の確認・発錆状態等を調査します。構造図書が無い場合は、必要に応じて壁・柱等の構造部材の断面・鉄筋量等を調査し、それに基づいて必要な図書を復元。各指標値を計算し、耐震性能を評価します。
現地調査結果・診断結果等を踏まえ、補強後の機能、工事の施工性、経済性等を検討し、補強後の耐震性能・補強工事のための資料を提供します。この業務に関しては、耐震診断とは別費用となります。
耐震補強工事と合わせて、屋上防水・外観・外部建具改修ならびに、室内及び設備関連の改修内容を図面化します。
以前から、特に民間物件の設計監理業務に関しては、一般的状況として、契約書を交わさず口頭での約束であったり、業務内容や範囲の説明が不十分であったりしためにトラブルが生じるようなことがありました。そこで、平成26年度に改正された建築士法において「契約の原則」が規定され、延べ床面積300m²を超える建築物の設計監理業務については、書面による契約が委託者、受託者双方の義務として規定されました。その契約書面に記載する事項についても、建築物の概要や業務委託の種類、内容、実施方法、実施期間、作成図書、従事する建築士、報酬、支払時期等が規定されています。
弊社でも、こうしたコンプライアンスの徹底を図り、規模の如何を問わず契約書を交わし、トラブルの防止に努めているところです。また、契約のタイミングや方法(一括、あるいは段階ごとなど)につきましては、物件の状況により違いはありますが、一般的な設計監理契約の場合、前記「設計監理契約の流れ」にも記載のとおり、建築物の概要がほぼ決定する基本構想から基本設計へ移行する段階では、契約の締結をお願いしたいと存じます。
約を基に、お客様との十分なコミュニケーションを図りながら、業務を行って参りたいと存じますので、ご協力いただきますようお願い申し上げます。